こんにちは! 院長の高です。
初秋ということで、今回は読書の秋のおすすめ本です。
少し前、大阪市内で開業されてる先生(かなりの読書家)の医院に遊びに行ったときに勧められた本、今野敏の「隠蔽捜査」シリーズです。
何をいまさらと思われてる方も多いと思います(2006年作・吉川英治文学新人賞受賞、何本かドラマ化)が、読んだことがない人には是非おすすめです!
端的に何が一番おもしろいかというと主人公の警察庁総務課長、竜崎伸也のキャラクターです。
この主人公、東大出身のキャリア官僚なんですが、東大以外は大学と認めず家庭は妻の仕事と割り切り、国を守るのが自分の仕事と信じて疑わないかなり上昇志向の強いエリート官僚で、家族をはじめ周囲から変人と言われる。
読み始めは、この奇妙な主人公のキャラクターに戸惑いますが、事件や家族のトラブルなどの困難に立ち向かったときに、周りとの軋轢をものともせず自分の信念を貫き通す強さにカッコよさやある種の憧れを感じてしまいました。
この本には"竜崎語録"と言われる、主人公を物語る印象的なセリフが多くあります。
「エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない」
「公務員にとって出世は大切だ。出世すればそれだけ権限が増える。つまり、できることが増えるからだ。
竜崎にとって出世というのは、それ以上でもそれ以下でもなかった。だから、めでたいことでも何でもない」
「彼にはエリート意識がある。エリートには特権とともに当然大きな義務もつきまとう。本気でそう考えているのだが、なかなかまわりに理解されない」
「いいじゃないですか、 怒鳴られるくらい。それより対処が遅れることのほうを恐れるべきです」
「大人の判断だって?それは、臭い物に蓋という古くて役立たずの官僚主義のことだ。
今必要なのは、保身のための方便じゃない。どうしたら被害が最小限で抑えられるかという正しい危機管理なんだ」
「理想を追求するのは当然のことだろう。そして、現実を少しでも理想に近づけるべきだ。なぜそれをしない?」
これらのセリフに興味を持たれた方は是非。
すでに続編もいっぱい出てるみたいなので、私も楽しみです!